誰を送り込むか。

ライフサイエンス分野で、中小企業が米国進出する際には、製品とマーケット両者の知識を合わせ持ち、英語で説明できる人がまず必要です。そして、その方が米国の文化に適応できる人かどうか見極めてください。

英語能力は2番目です。製品とマーケットの知識がまず必要です。英語は、英語にどっぷりつかればなんとかなります、教材も豊富にあります。しかし、本社から離れたところで製品知識に劣るとアウトです。少なくとも日本でどのように売れてなぜ売れているのかが分析できる能力が必要です。アメリカでその知識を応用していけば、売るための戦略が立てられるでしょう。

次に、その方に財務諸表を読む力をつけさせてください。私が米国に来た際に担当会計士に、ブックキーピングは自分でするように言われました。会計事務所はブックキーピングをしてくれるところだと考えていた私は、これを聞いてショックを受けましたが、今ではこのアドバイスに大変感謝しています。数字を読めない人は経営できません。ブックキーピングと毎月の締め作業(英語でreconciliationと言います)さらに、税務申告といった作業により会社を経営するのに必要な会計知識を得ることができました。しかし、それは渡米後3、4年のことです。もっと早く理解していれば、営業状態の改善に真っ向勝負できていたと思います。

アメリカで事務所をどこに置きますか?

アメリカで事務所をどこに置きますか?

 

ライフサイエンス企業が米国に進出する際に、事務所をどこに置くと良いかという相談を頂くことがあります。事業に支障がない範囲で住みたいと思う町がよいと思います。

アメリカで一番住みたいところは?と聞かれたら私はハワイ!と答えますが、正直、ハワイでこの事業を成功させられるかどうかには不安があります。米国本土との距離が遠く、お客様にお会いすることが必要な際に、二の足を踏んでしまうためです。

アメリカは日本同様、住む地域によって大きな文化および経済格差があります。ただでさえ、日米の仕事の仕方のギャップに驚かれる駐在員の方には、日本人が比較的多く住む西海岸が住みやすいと思います。とくに食事は大きな要因です。日系のスーパーがあることが精神的にも安心できると思います。一杯のお味噌汁でホッとできる、誰しも、そんな経験をされたことがあるのではないでしょうか。事業だけを考えると日系スーパーのことなど考えていられないかもしれませんが、御家族もいる駐在員であれば、生活基盤の安定を考えて日系のスーパーは事業成功の大きな要因だと考えられます。週末、買い物に行く日系スーパーさんに私も感謝です。

弊社アミューザはサンディエゴにあります。売上の7割以上は東部と中西部です。弊社のスタッフは頻繁に東海岸まで出張をしてくれています。中西部、東海岸に行くには、時差もあり丸1日かかります。翌日の午前中に作業や会議をして、その夕方に帰ってくることも可能です。

サンディエゴにはUCSD、Scripps、Salk、Sanford Burnham Prebysといった大学、非営利な研究機関とさらに多数の製薬やバイオテックの研究所が軒を連ねています。Biocomの2017年の調べ*によるとサンディエゴのライフサイエンス企業は1225社に上るそうです。日系企業では、タケダ、アステラス、タナベ三菱、味の素アルテアとそうそうたる企業がラボを持たれています(すみません、日系全社を網羅できていません)。ここまでライフサイエンス企業が増えれば、その分野で優秀な人材も採用しやすくなります。

また、ベンチャー企業の方はシリコンバレーによく興味を持たれます。筆者自身はシリコンバレーに住んだことはないですが、物価の高騰には舌を巻きます。駐在員が住めても、日本からの出張者のホテルが高くて訪問していられないという話をよく聞きます。サンディエゴも日本に比べると物価は高いですが、シリコンバレーやサンフランシスコほどではありません。

売り上げの大半が東部であるのになぜオフィスを置かないのかという質問も頂きます。将来的には支社を東海岸に配置したいと考えています。私自身が東海岸に住まないのは、日本との連絡が取りにくくなるためです。西海岸は日本と8時間の時差、東海岸はこれに3時間プラスです。

ご質問がありましたら、是非こちらに投稿ください。

*出典 The Impact of Life Science in San Diego County, BIOCOM (biocomorg.com 2017)

デジタルマーケティング本格化

 

アミューザでは2019年をデジタルマーケティングに予算を大きくシフトすることを決めました。社内に優秀なウエッブデザイナーを抱えてはいるものの、日々刻刻と変化するインターネットの世界、優先順位を決めるのにはかなり戸惑っていたました。

そこでまず始めたのは、私自身の勉強から。オンラインビジネススクールのデジタルマーケティングコースを受講し、修了しました。そこで再認識させられたのは、透明性と時間の大切さ。お客様の苦情とその解決策を即時にオープンにすることが企業のサービスの良さを示せる機会にもなります。

インターネットは多方向にコミュニケーションが取れる場です。例えば弊社が運営するウエッブサイトのブログにはコメントが自由にできるようにしています。これで弊社と利害関係のある方もない方も、ディスカッションをオープンにできます。最小限のスクリーニングシステムは必要だと思いますが。

もう一つは、SEO (Search Engine Optimization、グーグルの検索結果の上位に載せるための最適化)。どんなに素晴らしいサイトをデザインしても、だれも訪問してくれなかったら意味がありません。そこで、グーグルのSEOの基本コンセプトを理解してサイトを更新していきます。日々コツコツとサイトの文章、動画、インフォグラフィックスなどをウエッブサイトへの訪問者の役に立つように更新にしていくことが必要です。まさにこれは精進ともよべるプロセス。実は、このブログもデジタルマーケティングの一つなのです。さて、初歩的なことからスタートしましたが、2019年の4月時点での弊社のデジタルマーケティングの基本路線は

  • ユーザーコミュニティーを創出するサイト運営(当社ではこれをAmuzament Parkと名付けました。)
  • ユーザーサポートに最も力を入れていく
  • 動画をより多く導入
  • デジタル広告費に展示会よりも多くの予算を投入

等々です。

御社の戦略もこちらにシェアーしていただければ幸いです。

NIHグラントが通りそう。どこで研究するのが一番良いか?

弊社でもNIHのグラントを申請しています。企業、Small Business向けのグラントとしてSTTR (Small Business Technology Transfer)とSBIR (Small Business Innovation Research)プログラムという二種類があります。他にもFASTというのもあるようです。弊社で申請しているのはSTTRです。フェイズ1では$150,000、フェイズ2では$1ミリオンほどが政府から支払われます。実は、私がグラントを直接書いているわけではなく、共同研究者に書いてもらい、それを弊社で申請しています。3年越しで3回アプライしました。結果、今回はどうやら通ったようです。まだ、正式な告知(Notice of Award)は届いていませんが、Just In Timeというリクエストが来ており、NIH側の担当者であるプログラムオフィシャルもおめでとうとEメールしてきているので、おそらく大丈夫でしょう。

この申請により一つ学びました。米国でグラントを書く方々は、とても大変な思いをしています。ある研究者がおっしゃるのに、日本の科研費やAMEDの申請に比べ、おそらく100倍以上の時間と努力が必要だとのことです。私も横で見ていて、この意見に納得します。この努力に意味があるかどうか。私には無駄に思えます。論理構築や文献調べは意味があると思いますが、有用性を示すより、あらさがしする選考委員に、文句を言わせないように書くことが必要です。書類選考という競争に勝つために時間を浪費し、その努力を研究に供せないことは非常に無駄です。日本の大学の研究者は会議が多く文句を言いますが、私には、まだ会議のほうが良いような気がします。

もし、研究内容にビジネスセンスが加えられれば、起業して投資家のお金で研究開発も可能です。そこでもらえる金額はSTTRのフェイズ2の数倍から数十倍は得られます。おそらくこちらのがはるかに早くことが進みます。でも株の問題や投資家との交渉が絶えず必要で頭を悩ませるのも事実かもしれません。

そこで弊社は代理店業で黒字にし、少しずつでも資金を得てさらに研究もするという形に進めようと起業時に考えていました。いざ代理店業をはじめると、とても面白く充実しています。今から頂く米国政府のお金を有意義に使うことにもウキウキしています。つまりは、弊社で研究するのが一番いいかもしれません。

 

アメリカで売りたいのですが、どうしたらいいでしょうか?

 

これまで10社を超す日本企業とアメリカで市場開拓をしてきました。海外事業受託会社である当社は、単に日本から装置を輸入して、米国で販売している訳ではありません。販売にこぎつけるには、まずアメリカのマーケットを開拓します。宣伝や潜在的顧客と話をして、メーカー側のアプリケーション開発、仕様変更などを経て数年後ようやく売れ出すというのが実情です。そこで明確に見えてきたことがあります。

まずアメリカで売るのに日本の会社がやるべきこと、それは、その会社の社長がアメリカでビジネスをすることに真剣になることです。

米国に来て、見て、話して、アメリカ市場を感じなければ方針を決められないようです。海外進出していないメーカーにとって、いわば海外においては日本での創業当時の状態です。だれもあなたの会社を知りません。これに加えて英語の世界で、しかも日本の何十倍もの国土をもつ国です。日本で教え込まれてきた常識やノウハウが役に立たないこともしばしばあります。会社のトップ自らが体験しなければ、アメリカで売れる会社にはなりません。店舗型や日本人向けのみの商売であればまた違うかもしれませんが。

 

 

はじめまして

 

初めましてAmuza Inc. CEOの東です。

第一回目のブログです。いつまで続くかわかりませんが、ゆっくり長く挑戦します。

まずは自己紹介。私は神経科学分野で修士号取得後、小規模HPLCメーカーのR&D部門に就職しました。その後、開発に携わったHPLC製品を販売するために2004年に渡米しました。支店をたちあげ現地のトップとして2102年までセールス、マーケティング、ユーザーサポート、その他管理業務と会社のほぼすべての業務を担当していました。その後、独立しこれまで4年間会社を経営させていただいています。商品は、研究機器で日本製です。日本のメーカーの製品を米国で販売し、研究者をサポートするのが弊社の業務です。お客様は、主にバイオおよび化学分野の基礎研究分野の研究者です。簡単に言えば、理系出身で米国で起業した零細企業の経営者です。住んでいるのはカリフォルニア州のサンディエゴ市です。

さて、このブログの目的を以下のように設定します。

  • 日本に在住の研究者、ビジネスマンの皆様にアメリカの動向を紹介する
  • アメリカで独立してビジネスをしようとしている方への読み物
  • アメリカで研究生活を送りたい方への読み物
  • アメリカに製品を販売したい同じ業界の方への読み物

そうです、単に読み物です。役立つ読み物と書きたいのですが、「役立つ」を削除しました。単に読んで楽しんでいただければそれで良いかと思います。

話は変わりますが、オバマ氏からトランプ氏へ政権が以降し、NIHのグラント予算はさらに削られるとみられています。その上、輸入商品に税金を掛ける国境税を始めるとも言っています。このような状況でどう会社の業績を上げて、米国の研究者に貢献していくのかは大きな難題です。トランプ大統領の政策に米国経済への良い効果があるのかどうかはさておき、米国内消費および輸出の増進が目的であればこれに乗るしかいないでしょう。そうです、米国から輸出し、かつ米国内の研究者の手助けをします。CRO (contract research organizaiton)がいいでしょう。それでも日本製品も売りますよ。

それではどういう日本の商品が売れるのか。これについて順次このブログで解説します。