ライフサイエンス企業が米国に進出する際に、事務所をどこに置くと良いかという相談を頂くことがあります。事業に支障がない範囲で住みたいと思う町がよいと思います。

アメリカで一番住みたいところは?と聞かれたら私はハワイ!と答えますが、正直、ハワイでこの事業を成功させられるかどうかには不安があります。米国本土との距離が遠く、お客様にお会いすることが必要な際に、二の足を踏んでしまうためです。

アメリカは日本同様、住む地域によって大きな文化および経済格差があります。ただでさえ、日米の仕事の仕方のギャップに驚かれる駐在員の方には、日本人が比較的多く住む西海岸が住みやすいと思います。とくに食事は大きな要因です。日系のスーパーがあることが精神的にも安心できると思います。一杯のお味噌汁でホッとできる、誰しも、そんな経験をされたことがあるのではないでしょうか。事業だけを考えると日系スーパーのことなど考えていられないかもしれませんが、御家族もいる駐在員であれば、生活基盤の安定を考えて日系のスーパーは事業成功の大きな要因だと考えられます。週末、買い物に行く日系スーパーさんに私も感謝です。

弊社アミューザはサンディエゴにあります。売上の7割以上は東部と中西部です。弊社のスタッフは頻繁に東海岸まで出張をしてくれています。中西部、東海岸に行くには、時差もあり丸1日かかります。翌日の午前中に作業や会議をして、その夕方に帰ってくることも可能です。

サンディエゴにはUCSD、Scripps、Salk、Sanford Burnham Prebysといった大学、非営利な研究機関とさらに多数の製薬やバイオテックの研究所が軒を連ねています。Biocomの2017年の調べ*によるとサンディエゴのライフサイエンス企業は1225社に上るそうです。日系企業では、タケダ、アステラス、タナベ三菱、味の素アルテアとそうそうたる企業がラボを持たれています(すみません、日系全社を網羅できていません)。ここまでライフサイエンス企業が増えれば、その分野で優秀な人材も採用しやすくなります。

また、ベンチャー企業の方はシリコンバレーによく興味を持たれます。筆者自身はシリコンバレーに住んだことはないですが、物価の高騰には舌を巻きます。駐在員が住めても、日本からの出張者のホテルが高くて訪問していられないという話をよく聞きます。サンディエゴも日本に比べると物価は高いですが、シリコンバレーやサンフランシスコほどではありません。

売り上げの大半が東部であるのになぜオフィスを置かないのかという質問も頂きます。将来的には支社を東海岸に配置したいと考えています。私自身が東海岸に住まないのは、日本との連絡が取りにくくなるためです。西海岸は日本と8時間の時差、東海岸はこれに3時間プラスです。

ご質問がありましたら、是非こちらに投稿ください。

*出典 The Impact of Life Science in San Diego County, BIOCOM (biocomorg.com 2017)